10月26日13時より、静岡県の天城ドームで予備節・2試合目が行われました。雨天順延となった第10節・2試合目の振り替え試合で、対戦相手は7勝14敗の「伊予銀行VERTZ」です。1試合目に続き、スタンドから声援が送られました。
　4月に開幕した1部リーグ戦も、これが最後の試合。ブレイブベアリーズはすでに2部リーグへの降格が決定しましたが、選手たちは「ファンのみなさんに勝利で恩返ししたい」と、力強く最後の戦いに挑みました。

杉山が出塁するも、得点ならず。
先発バッテリーは藤嶋・重石。

　1回表、ブレイブベアリーズの攻撃。3番・杉山まれいが四球で出塁するも、得点には至りません。
　1回裏、ブレイブベアリーズの先発バッテリーは、ピッチャー・藤嶋涼菜、キャッチャー・重石華子です。この日の前試合では5回途中からマウンドに上がり、引き続き登板となった藤嶋。2本のヒットで1アウト2、3塁のピンチを迎えますが、後続は三振、ショートゴロに仕留め無失点に抑えます。

中村がヘッドスライディングで内野安打！
重石の送球で3塁ランナーを挟み、タッチアウト！

　2回表、ブレイブベアリーズの攻撃。1アウトの後、中村白が打った打球はサードへのゴロとなりますが、1塁へヘッドスライディングし、セーフ！中村はその後果敢に盗塁を仕掛けますが、惜しくもアウト。得点につなげることはできませんでした。
　2回裏、藤嶋はヒットなどで1アウト1、3塁のピンチを迎えます。しかし次のバッターの打席で3塁ランナーが飛び出し、すかさずキャッチャー・重石が3塁へ送球、ランナーを挟み重石がタッチアウト！その後四球で1人のランナーを出しますが、後続をサードゴロに打ち取り、無失点に抑えました。

新美がライト前ヒット！
藤嶋は3回連続三者凡退に抑える。

　3回表の攻撃も無得点に終わったブレイブベアリーズ。4回表は、この回先頭バッターの新美天理が7つのファールで粘った後にライト前ヒット！代走に西岡彩乃が入ります。しかし、後続は抑えられ得点を挙げることができません。
　一方、藤嶋は3回裏、4回裏、5回裏と続けて1人のランナーも出さず、すべて三者凡退。連投の疲れも見せず、好投を続けます。

中村、新美が2打席連続ヒット！
杉山は送りバントから出塁。

　5回表、ブレイブベアリーズの打順は2回表に内野安打を放った中村から。中村はショートを深々とつく内野安打を放ち、これで2打席連続ヒット！続く代打・江口裕里が確実に送りバントを決め、1アウト2塁。しかしランナーを帰すことができません。
　6回表1アウトからは、4回表にライト前ヒットを打った新美がセンターへ2打席連続ヒット！代走に瀧中美緒が入ります。続く杉山が送りバントを決めると、送球が乱れオールセーフ！1アウト1、2塁とします。しかしホームは遠く、先取点とはなりませんでした。

中村が3打席連続ヒット！
野木は執念で出塁し、藤嶋は好投を続ける。

　中村は7回表にもレフト前ヒットを放ち、これで3打席連続ヒット！1アウトの後、続く野木あやの打球はセカンドゴロで2塁アウトとなるも、野木は執念のヘッドスライディングで1塁セーフ！送球が乱れ野木は2塁へ進みますが、得点ならず。
　一方、藤嶋も6回裏、7回裏と2本ずつのヒットを与えますが、気迫のピッチングでホームは踏ませず無失点。試合は0-0のまま延長戦へと突入しました。

村井のタイムリーヒットで先取点！
代打・須貝もタイムリーを決め2点目！

　タイブレーカー制度で行われる延長戦。前の回の最後のバッターを2塁ランナーとし、ノーアウト2塁からスタートします。
　8回表、ブレイブベアリーズの攻撃。重石が2塁ランナーに入り、打順は1番・村井彩乃から。村井がバントの構えを見せた初球、審判から相手ピッチャーに不正投球が宣告され、2塁ランナーの重石は3塁へ進みます。村井が構えをヒッティングに切り替えると、打球をライトへ飛び、タイムリーヒット！重石がホームに帰り、1点を奪います。
　後続の瀧中は送りバント、杉山は死球で1アウト1、2塁。安井は三振に倒れるも、続く代打・須貝素美がレフトへのタイムリーヒットを決め、2点目！
　須貝の代走に高岡佑衣が入り、2アウト1、2塁。次のバッター・中村はセーフティーバントを仕掛けますが、惜しくも相手キャッチャーがノーバウンドで捕球し、3アウト。しかしブレイブベアリーズは2得点を挙げ、スコアを2-0としました。

逆転ホームランを浴び、勝利ならず。
悔しさを来シーズンにぶつけ、再び1部リーグへ。

　「どの試合にも足を運んでくれ、どのチームよりも大きな声援をくれるファンに、勝利で恩返しをしたい」。念願の勝利まで、あとアウト3つ。8回裏、ブレイブベアリーズナインはスタンドからの「フジシマ！フジシマ！」、「守り抜くぞー！」の大コールを受けながら、グラウンドへ駆け出しました。
　ランナーを2塁に置き、最初のバッターはレフトフライで1アウト。次のバッターはレフト前ヒットで1アウト1、3塁とされます。続くバッターが放った打球はライトへ上がり......ホームラン。2-3と逆転され、無念のサヨナラ負けとなりました。
　「勝利で恩返しを」。その夢は、あと一歩届きませんでした。試合終了後、スタンドに向かって一礼をした選手たち。前試合途中から、そしてこの試合をひとりで投げ抜いた藤嶋は膝に手をついて泣き崩れ、他の選手たちの目にも悔し涙が溢れました。
　来シーズン、ブレイブベアリーズは2部リーグで再び、1部の舞台を目指します。

＜試合後インタビュー＞

遠藤麻美監督

「悔しいです。〝1本〟がもう少し早く出ていれば楽な展開にできたと思います。シーズン開幕から、ファンのみなさんはどの会場にも足を運んでくれて、大きな力となりました。ファンのみなさんが私たちを後押ししてくれました。これから来年に向けてこの一年を振り返り、この一年の経験を活かして練習し、来年は絶対に1部リーグに上がれるように準備します」

8回表、先取点となるタイムリーヒットを決めた村井彩乃選手

「今日の1試合目では出塁することができず、流れを作れませんでした。延長8回表はタイブレーカーでランナーが2塁に出るので、7回裏はバントの練習をしていましたが、打席中にランナー3塁となり思い切って打ちに行きました。流れを作る打点が決められて良かったです」

8回表、2点目となるタイムリーヒットを決めた須貝素美選手

「最近、大事なところで代打に入ることが多かったのですが、今まで結果を残せませんでした。しかし今日はいつもより落ち着いて打席に入ることができ、ボールもよく見えてフルスイングできました。自信がつき、自分を信じることができ、打てたヒットだと思います」

2打席連続安打・新美天理選手

「今年初めて1部リーグの試合を経験し、一球の勝負強さを身に付ける必要性に気づきました。今日は最終試合だったので楽しもうという気持ちで臨みました。チェンジアップを上手くとらえることができ、ヒットにつながったと思います」

3打席連続安打・中村白選手

「2部リーグへの降格が決まっている中の最後の試合でも応援してくれる人に、プレーする姿、気持ちで恩返しできたらと試合に臨みました。気持ちを伝えられたらと思っていたのですが、その気持ちを打席で結果に表すことができたと思います」