10月14日、滋賀県の甲賀市民スタジアムで第9節・1試合目が行われました。対戦相手は、7勝11敗でこの日を迎えたHonda Revertaです。
　ブレイブべアリーズの地元・滋賀県での、今シーズン初の開催試合。選手、ファンともこの日を心待ちにしていましたが、第9節は2日間とも雨予報。しかし選手たちの思いが通じたのか、雨は上がり、晴れ間も覗くソフトボール日和となりました。
　スタジアムには多くのファンが駆けつけ、ブレイブべアリーズベンチのある3塁側スタンドは、試合開始30分前に早くも超満員に。スタンド後方には立ち見客も溢れ、急遽レフト外野エリアが開放されました。
　「選手たちに力と勇気を与えられるよう、応援よろしくお願いします！」と応援団が呼びかけると、地鳴りのようなスティックバルーンの音が。
　プレイボールのサイレンが鳴ったのは、予定より20分遅れの13時20分。いよいよ熱い戦いが始まりました。

先発バッテリーは藤嶋・馬場。
1回裏はチャンスを作るも得点ならず。

　ブレイブべアリーズの先発バッテリーは、ピッチャー・藤嶋涼菜、キャッチャー・馬場未波。
　1回表、藤嶋は1番バッターにセンター前ヒットを打たれますが、後続をサードゴロ、セカンドゴロ、ライトフライと3人で打ち取ります。
　1回裏、ブレイブべアリーズの攻撃。1番・村井彩乃が死球で出塁すると、2番・新美天理が送りバントを決め1アウト2塁。3番・杉山まれいも送りバントで1塁線に転がすと、相手守備のエラーで1塁セーフ！さらに杉山は盗塁で2塁へ進み、1アウト2、3塁とチャンスを広げます。
　しかし後続はつなぐことができず、無得点。0-0で1回が終了しました。

新美が内野安打、杉山はセンター前ヒット！
さらに安井のスリーランホームランで同点に！

　2回表、藤嶋はレフト前ヒット、死球でランナーを出した後スリーランホームランを打たれてしまいますが、後続はピッチャーゴロ、セカンドゴロに打ち取り、3アウト。また3回表は三振、ショートライナー、ショートゴロの三者凡退に抑えます。
　一方、2回裏も無得点で終えたブレイブべアリーズ。3-0で迎えた3回裏、1アウトから新美が内野安打で出塁すると、代走に瀧中美緒が入ります。
　続く杉山はセンター前ヒットを放ち、1アウト1、2塁。すると次のバッター・安井聖梨奈が、レフトオーバーの同点スリーランホームラン！主砲のひと振りで試合を振り出しに戻し、スコアを3-3とします。

白川・重石バッテリーに交代。
交代後、ピンチを切り抜け無失点に抑える。

　4回表、藤嶋は1アウト2塁からツーベースヒットを打たれ、1失点。その後1アウト1、3塁とされたところで、ブレイブべアリーズバッテリーはピッチャー・白川果歩、キャッチャー・重石華子に交代します。
　白川は交代後最初のバッターを三振に切って取り、次のバッターに四球を与えるも、後続はサードゴロ。ピンチを無失点に抑えます。

杉山の内野安打で反撃開始！
須貝の選球で四球・押し出し同点！

　4回裏、5回表と両チーム無得点のまま4-3で迎えた5回裏、ブレイブべアリーズの攻撃。この回最初のバッター・杉山が内野安打で出塁すると、続く安井が四球を選び、安井の代走に原野友希が入ります。次の代打・江口裕里は送りバントも3塁フォースアウト。
　1アウト1、2塁で告げられた代打は、野木あや。野木の打球はショートゴロとなり、ボールが3塁へ送られますがこれが悪送球となり、セーフ！1アウト満塁のチャンスを迎えます。
　続く重石はファーストファールフライで2アウト満塁。次の代打・須貝素美が3ボール1ストライクから見送った球の判定はボール！四球・押し出しで同点に追いつきます。
　続く代打・平井真理子は三振に倒れたものの、ブレイブべアリーズは4-4と再び試合を振り出しに戻しました。

松田のファインプレーから三者凡退に。
好調・杉山がこの試合3本目のヒット！

　6回表、白川はこの回最初のバッターにレフトへ抜けるかと思われる強烈なライナーを打たれますが、これをショート・松田愛実が機敏に反応しジャンピングキャッチ！抜ければ相手を勢い付かせるような当たりをしびれるようなファインプレーでアウトにし、選手も応援席も大いに盛り上がります！後続もピッチャーゴロ、センターフライに打ち取り、三者凡退の無失点に抑えます。
　6回裏、ブレイブべアリーズの攻撃。2アウトから杉山がライト前へこの試合3本目となるヒットを放ちますが、得点ならず。4-4のまま6回を終えました。

選手・ファンが一体となりピンチを切り抜ける。
重石の送球で盗塁阻止、無失点に。

　7回表、白川は2アウトから登板後2本目となるヒットを打たれてしまいます。マウンドへ選手が集まり、最後にベンチと指をさし合い、チーム全員で「ヨーシッ！」のコール。マウンドに選手が集まり最後に｢ヨーシッ！｣のコールで盛り上げるのは、ピンチの場面での選手恒例パフォーマンスですが、この日はこのパフォーマンスに応援団、ファンも参加。グラウンド・ベンチ・スタンドが一体となって「ヨーシッ！」の大コールです。
　地元開催試合で、選手・ファンの新たな一体感が生まれたブレイブべアリーズ。白川が次のバッターと向き合うと1塁ランナーが盗塁を仕掛けますが、重石が送球し3アウト！7回表も無得点に抑えました。

安井がセンター前ヒット！
同点のまま、延長戦に。

　7回裏、ブレイブべアリーズの攻撃。3回裏に同点スリーランホームランを放った、この回先頭バッター・安井がセンター前ヒット！しかし得点ならず、試合は延長タイブレーカーへ突入します。

中村が鉄壁のダイビングキャッチ！
白川に代わり、藤嶋が再登坂。

　タイブレーカー制度で行われる延長戦。前の回の最後のバッターを2塁ランナーとし、ノーアウト2塁からスタートします。
　8回裏、送りバント、敬遠の四球、盗塁で1アウト2、3塁とされると、センターへの犠牲フライで1失点。あわやホームランかと思われる大きな当たりでしたが、センター・中村白が大きく伸び上がってジャンピングキャッチ！中村のファインプレーで最少失点に抑え、2アウトとします。
　ここでブレイブべアリーズのピッチャーは白川に代わり、藤嶋が再出場。続くバッターのセンター前ポテンヒットで1点を追加されますが、後続はレフトフライに打ち取り、6-4で8回表を終えました。

俊足・穐山がホームイン！
しかし追加点ならず、1点差で試合終了。

　8回裏、ブレイブべアリーズの攻撃。2塁ランナーの代走に俊足の穐山奈央が入り、バッター・松田。松田はセンターへの犠牲フライを打ち、穐山は3塁へ進みます。続くバッター・西岡彩乃のファーストゴロの間に3塁ランナー・穐山がホームインし、1点。スコアを6-5とします。
　2アウトランナーなしで、次のバッターは村井。しかし村井はショートゴロに終わり、ゲームセット。あと1点及ばず、6-5で敗れる結果となりました。

＜試合後インタビュー＞

遠藤麻美監督

「ファンの歓声がとても嬉しかったです。安井は打って欲しいところで打ってくれました。また白川・重石バッテリーは試合ごとに成長が見られ、今日も良い投球でした。しかし、やはり一球に泣く結果となり、チャンスでもう1点が取れませんでした。あと3試合、応援してくれるみなさんにいいプレーが見せられるよう、全力でがんばります」

同点スリーランホームランを決めた安井聖梨奈選手

「ホームランの打席には、とりあえずランナーを帰そうと思って入りました。大きな声援がとても力になりました。7回裏のヒットは、きっちり1点を取りたい、なんとかして塁に出ようと打ちました。この勢いでしっかりバットを振り、自分たちらしさを出せれば、明日は勝てると思います」

3安打・全打席出塁の杉山まれい選手

「どんな場面で打席が回ってきても自分の仕事ができるようにと思っていました。安井さんはいつも点が欲しいところで打ってくれるので、3回裏も安井さんに繋ごうと打席に立ちました。たくさんの方が応援に来てくださっているので、恩返しができるよう、明日は絶対に勝ちたいです」

登坂後、7回まで2安打無失点の好投・白川果歩投手

「以前、ピンチで登坂したときに抑えることができず、それからはピンチの場面で抑えられるようにとがんばってきました。これからは、タイブレーカーでも無失点で抑えられるように練習していきたいです。次の試合はストライク先行で、しっかりと守備でリズムを作れるようにがんばります」