2部リーグ・ホープセクションを全勝で1位通過したブレイブべアリーズ。悲願の1部リーグ昇格を目指し、10月12日（土）・13日（日）、福岡県北九州市ひびきコスモス運動場での順位決定節に臨みました。

　順位決定節は、トーナメント方式のページシステムで行われます。まず12日に、
①ブレイブべアリーズ（ホープセクション1位）VS 大垣ミナモ（アドバンスセクション1位）
②大和電機工業（ホープセクション2位）VS 東海理化（アドバンスセクション2位）
の試合が行われます。

　そして翌13日午前には、①の敗者と②の勝者が対戦。この試合で勝ったチームが、①の勝者と午後に最終決戦を行い、勝利したチームが1部リーグ昇格となります。

　今節初日の12日は超大型台風19号の影響で、全国各地で早朝より飛行機や新幹線などの運行中止が相次ぎましたが、悲願の1部リーグ昇格を後押ししようと、前日のうちに現地入りするなどして、100人以上のファン・応援団が北九州市の会場に駆け付けました。

　九州地方は幸いにも雨の心配はなかったものの、暴風警報が発令され試合開催自体が危ぶまれましたが、予定の12時30分過ぎにプレイボール。海を背にしたライトから本塁方向へ冷たい暴風が吹き荒れ、巻き上げられたグラウンドの砂塵が突風に乗って選手や応援席を襲うほどの状況の中、選手もファン・応援団も逆風に負けず声を張り上げ、1部リーグ昇格を争うライバル・大垣ミナモとの一戦に挑みました。

【スターティングメンバー】
1.（左）西岡彩乃
2.（三）沢柚妃
3.（右）中村白
4.（中）山本悠未
5.（捕）鬼澤麻純
6.（二）黒木美佳
7.（遊）松田愛実
8.（DP）馬場未波
9.（一）松尾ほの華
FP.（投）濱地沙歩

初回から満塁のピンチ。
しかし沢のファインプレーで無失点で切り抜ける。

　ブレイブベアリーズの先発バッテリーはピッチャー・濱地 、キャッチャー・鬼澤。1回表、濱地は2本のヒットと送りバントで1アウト2、3塁とされます。次の4番バッターは2ストライクまで追い込みますが、死球を与え1アウト満塁。そして5番バッターの打球は勢いよく3塁へ転がりますが、これをサード・沢が捕球しキャッチャー・鬼澤へ送球。ホームでアウトを奪い、2アウト満塁とします。6番バッターはセンターフライに打ち取り、なんとか3アウト。1アウト満塁のピンチを無失点で切り抜けます。

ピッチャーは藤嶋に交代。
2本のタイムリーヒットで3点を先取される。

　1回裏、ブレイブベアリーズの攻撃。1アウトから2番・沢が死球で出塁しますが、離塁アウトの判定で2アウトランナーなしとなります。後続も倒れ、先制点は挙げられません。

　2回表の守り。四球、死球、送りバントで1アウト2、3塁とされたところで、ブレイブベアリーズはピッチャーを交代。濱地に代わり藤嶋涼菜がマウンドに上がります。藤嶋は最初のバッターにスリーベースヒットを打たれ、2失点。さらにセンター前ヒットで1点を追加されます。続くバッターは内野ゴロに打ち取ったかに思えましたが、悪送球。なおも1アウト1、3塁のピンチが続きますが、次のバッターのレフトへ抜けそうな強烈なゴロは、サード・沢が素早く反応して捕球、1塁へ送球しアウトを奪います。後続は落ち着いてピッチャーゴロに打ち取り3アウト。大垣ミナモに先取点を許し、3－0で2回表を終えます。

鬼澤がライト前ヒット！
守ってはノーアウト3塁を無失点に抑える。

　2回裏の攻撃。1アウトから鬼澤がライト前ヒットで出塁します。次の黒木の三振の間に鬼澤は盗塁を決め、2アウト2塁。しかし後続も三振に倒れ得点には至りません。

　3回表、ピッチャー・藤嶋は先頭バッターにスリーベースヒットを打たれ、ノーアウト3塁とされます。しかし、その後は落ち着いた投球で3人続けて内野ゴロに打ち取り、追加点は与えません。

穐山の盗塁から西岡がタイムリーヒット！
1点を返して追い上げ開始！

　3－0のまま迎えた3回裏、なんとか1点を返したいブレイブベアリーズの攻撃。先頭バッターの馬場がファールで粘った末に四球で出塁、代走に穐山奈央が入ります。穐山はすかさず盗塁を決め、ノーアウト2塁。松尾はサードへのゴロでランナーを進め、1アウト3塁のチャンスを作ります。そして打席に立った西岡。西岡はベンチ・スタンドの期待に応えレフトにタイムリーヒットを放ち、穐山がホームイン！西岡はなおも盗塁で2塁へ進みますが、後が続かず追加点ならず。ブレイブベアリーズは待望の1点を返し、3－1と点差を2点に縮めました。

ピッチャー・藤嶋が三者凡退に抑える。
センター・山本の好捕からダブルプレーに！

　4回表、ピッチャー・藤嶋はリズムの良い投球で、セカンドゴロ、サードゴロ、センターフライと三者凡退に打ち取ります。

　4回裏、追加点を挙げたいブレイブベアリーズですが、3人で攻撃を終えてしまい、3－1のまま試合は5回へ。

　5回表、ピッチャー・藤嶋は四球と送りバントで1アウト2塁とされます。次のバッターはセンターへ痛烈なライナーを放ちますが、センター・山本がダイレクトキャッチ。さらに素早く2塁へ送球し、飛び出したランナーをアウトに仕留め、ダブルプレー！無失点に抑えます。

またも穐山が足でチャンスメイク！
そして西岡が2本目のタイムリーヒット！

　5回裏、追加点が欲しいブレイブベアリーズの攻撃。先頭バッターの松田が死球を受けノーアウト1塁とします。穐山はピッチャーゴロで2塁フォースアウトとなりますが、1塁ランナーの穐山がこの試合2度目の盗塁を決め1アウト2塁。次の松尾はファーストへのゴロでランナーを進め、2アウト3塁とします。

　ここで打席に立ったのは、3回裏にタイムリーヒットを打った西岡。3回裏の得点時と同じ、3塁ランナーに穐山を置いた状況です。このチャンスで西岡は内野へタイムリーヒットを転がし、その間に穐山がホームイン！後続は倒れましたが、ブレイブベアリーズは2点目を奪い、3－2とついに1点差に詰め寄りました。

ピンチを迎えるも、ピッチャー・藤嶋が三振に！
キャプテン・中村は執念のヘッドスライディング！

　6回表、ピッチャー・藤嶋は先頭バッターに内野守備エラーで出塁されると、送りバント、セカンドゴロ、死球で2アウト1、3塁のピンチを迎えます。しかし次のバッターからは三振を奪い、3アウト！ホームを踏ませません。

　6回裏、ブレイブベアリーズの攻撃。先頭バッターの中村はショートへ打球を転がすと、執念のヘッドスライディングでセーフ。ノーアウト1塁としますが、次の山本はショートゴロからのダブルプレーを奪われ2アウトランナーなしとなります。続く鬼澤は相手守備エラーで出塁しますが、後が続かず追加点は奪えません。

沢が再三のファインプレー！
1点ビハインドのまま、最後の攻撃へ。

　7回表の守り。先頭バッターがサードへ鋭いライナーを打ちますが、サード・沢が素早い反応でダイレクトキャッチ。1アウトを奪います。次のバッターはセカンドゴロに打ち取り、ツーアウト。後続にライト前ヒットを打たれ2アウト1塁とされますが、次のバッターは三振に切って取り、3アウト。2回表に3点を奪われましたが、その後は無失点に抑え続け、3－2のまま最終回の攻撃に入りました。

穐山がヒットを打ち、逆転サヨナラのチャンス！
しかしあと一歩が届かず、無念のゲームセット。

　7回裏、1点を追いかけるブレイブベアリーズの攻撃。先頭バッターの松田が死球で出塁すると、穐山がサード強襲のヒットでノーアウト1、2塁とします。次の松尾はピッチャーの脇へ上手く転がしランナーを進め、1アウト2、3塁と一打逆転サヨナラのチャンスを迎えます。続くバッターはこの日2本のタイムリーヒットを打っている西岡ですが、この打席は三振に倒れます。2アウト2、3塁で打席に入ったのは、代打・重石華子。重石は思い切り良くバットを振り抜きますが、センターへのフライとなり、ゲームセット。追い上げ叶わず、3－2の惜敗となりました。

翌日午前に大和電機工業戦。
2連勝すれば1部リーグ昇格！

　順位決定節の初戦に敗れたブレイブベアリーズ。ですが、これで1部リーグ昇格への道が閉されたわけではありません。この日の午前に行われた両セクション2位同士の対戦では大和電機工業が勝利しており、翌日午前に行われる大和電機工業との試合にブレイブベアリーズが勝てば、午後に予定された2部リーグ1位を決める最終決戦で大垣ミナモへ再挑戦することができます。

　昨年の順位決定節では、ブレイブベアリーズは初戦に勝利したものの、翌日の最終決戦に敗れ、1部リーグへの切符を逃しました。今年はその逆になり得るのです。

　1部リーグ昇格を目指し、気持ちを切り替え、まずは翌日午前の大和電機工業戦に臨みます。

＜試合後インタビュー＞

遠藤麻美監督

「ピッチャーの藤嶋は相手によく研究されていましたが、その中でよく3失点に抑えました。ですがこちらも今日、相手のバッターを見ることができました。明日は失点をせずに勝ちたいです。まずは午前の大和電機工業戦。絶対に2勝します」

盗塁でチャンスを作り、2得点ともホームを踏んだ穐山奈央選手

「代走でもどんな場面でも、塁に出たら走ろうと思っていました。3点を先制されましたが、1点ずつ返そうとチームで話していました。2点目は内野ゴロでのホームインでしたが、練習していた通りに走れたと思います。セクションでは全勝しましたが、明日勝たなければ意味がありません。去年は悔しい思いをしましたが、明日は2連勝して1部リーグ昇格を決めます」

2本のタイムリーヒットで2打点・西岡彩乃選手

「3点差を埋めるために1点ずつ取りたかったので、1本目は穐山さんをホームに返そうと思って打席に入りました。2本目もランナーは（足の速い）穐山さんだったので、どんな形でも大丈夫だと思い内野に打ちました。今日は負けてしまいましたが、しっかり切り替えて、明日2勝できるようにがんばります」