9月8日（日）の午後、午前に引き続き草津グリーンスタジアムで、第3節・4試合目が行われました。対戦相手はここまで4勝4敗の厚木SCです。

　この試合が終われば、2部リーグ・ホープセクションの試合は第4節の2試合を残すのみとなります。ブレイブベアリーズは現在、9戦全勝でセクション1位の位置におり、セクション2位以下のチームはすべて3敗以上をしているため、この試合に勝てば第4節を待たず、ブレイブベアリーズのセクション1位通過が決定します。

　1位通過を決めるためにも、「全勝優勝」の目標を達成するためにも、絶対に負けられないこの戦い。応援団は連日の声援で試合前から既に声が枯れていますが、集まったファンも一体となり、選手と思いをひとつにこの一戦に挑みました。

【スターティングメンバー】

1.（二）黒木美佳
2.（一）鬼澤麻純
3.（DP）重石華子
4.（中）山本悠未
5.（三）野木あや
6.（遊）松田愛実
7.（捕）馬場未波
8.（右）西岡彩乃
9.（左）穐山奈央
FP.（投）藤嶋涼菜

先発ピッチャーは藤嶋。
2回にピンチを迎えるも、無失点に！

　先発バッテリーはピッチャー・藤嶋、キャッチャー・馬場。1回表、藤嶋は1番バッターからテンポ良く三振を奪うと、後続2人をファーストゴロに打ち取り、三者凡退に抑えます。

　1回裏、先取点を挙げたいブレイブベアリーズですが、三者凡退に終わってしまいます。

　そして2回表の守り。先頭バッターにレフト前へ運ばれると、レフト・穐山が後逸。3塁まで進められ、ノーアウト3塁の大ピンチを迎えます。そして後続の打球は勢い良くレフト方向へ。ですがこのライナーをショート・松田が素早く反応、ジャンプしてダイレクトキャッチ！1つ目のアウトを取ります。次のバッターはゴロを打ちますが、ピッチャー・藤嶋が落ち着いて捕球・送球しアウト。3塁ランナーは動けず、2アウト3塁とします。続くバッターは三振に切って取り、スタンドから大きな声援が。大きなピンチを切り抜け、無失点に抑えました。

松田のヒットも得点ならず。
藤嶋は3回表も三者凡退に！

　2回裏、ブレイブベアリーズの攻撃。山本が四球で出塁し、ノーアウト1塁としますが、続く野木はファーストライナーでアウト。飛び出した1塁ランナーの山本も戻れず、2アウトランナーなしとなります。次の松田はレフト前ヒットで塁に出ますが、得点には至りません。

　一方、藤嶋は初回のリズムを取り戻し、3回表を2つの三振を含む三者凡退に抑えました。

黒木がライト前ヒット！
しかしホームインできず無得点。

　3回裏、なんとか先取点を奪いたいブレイブベアリーズ。まず西岡が四球で出塁し、穐山のバントで1アウト2塁とします。そして黒木がライト前に弾き返すヒット！2塁ランナーの西岡は3塁を回り、懸命にホームへ滑り込みますが相手の好返球に阻まれアウト。この回も無得点に終わります。

　4回表も相手打線を3人に抑え、好投を続ける藤嶋。ですがその裏、ブレイブベアリーズも三者凡退に終わり、0−0のスコアが続きます。

2人のランナーを背負った藤嶋。
しかし後続を打ち取り無失点！

　5回表、ピッチャー・藤嶋は先頭バッターから三振を奪います。次のバッターはバントで転がし、サード・野木が必死に追いかけ捕球、1塁へ送るも間に合わずセーフ。後続は送りバント、四球で2アウト1、2塁と2人のランナーを背負います。ですが、次のバッターの打球はサード・野木の正面に飛び、サードライナーで3アウト。この回も無失点で切り抜けます。

黒木のヒットなどで満塁のチャンス！
山本のタイムリーヒット、野木の犠牲フライで2点を先制！

　5回裏の攻撃も3人で終了したブレイブベアリーズ。ピッチャー・藤嶋も負けじと6回表を三者凡退に抑え、試合は我慢比べの展開に。一歩も譲らぬ両チームの攻防で、スタンドが緊張に包まれます。

　0−0で迎えた6回裏、ブレイブベアリーズの攻撃。この回の先頭バッター・穐山が頭部に死球を受けます。スタンドから心配の声が上がりますが、穐山は笑顔で1塁に進みました。ノーアウト1塁となり、続く黒木がショートへの内野安打で出塁。ノーアウト1、2塁とします。そして鬼澤が打球を転がし、ボールは3塁へ送られますが穐山の足が勝りセーフ！ノーアウト満塁の大チャンスを迎えます。次の重石は三振を喫しますが、続く山本がライト前に運ぶタイムリーヒット！3塁ランナーの穐山が帰り、大きな1点を物にします。なおも1アウト満塁とし、野木がレフトに大きなフライを上げ、捕球されたところで3塁ランナーの黒木がタッチアップでホームイン！2点目を挙げます。最終回を前に、ブレイブベアリーズは0−2と先制に成功しました。

最終回も3人で抑え、無失点勝利！
セクション1位通過が決定！

　7回表、ピッチャー・藤嶋はスタンドから叫ばれるフジシマコールを背にマウンドに立ちました。藤嶋の気合いに負けじと、ファンはさらにスティックバルーンを打ち鳴らします。

　藤嶋は1人目を落ち着いてピッチャーゴロに打ち取ると、2人目から三振を奪います。そして3人目もキレのあるスピードボールで圧倒し三振、ゲームセット！

　スタンドの大歓声、鳴り止まないスティックバルーンの音の中から、応援団が枯らせた声で叫びます。「これで、ブレイブベアリーズはホープセクション1位通過を決めました！」。

　選手たちは、翌週に鹿児島県で行われる全日本総合選手権大会を経て、9月21日（土）・22日（日）の第4節に臨みます。そして1部リーグ昇格を掛け、10月12日（土）・13日（日）の順位決定節に挑みます。

＜試合後インタビュー＞

遠藤麻美監督

「この第3節では、選手たちの得意な面、苦手な面どちらもが出ました。そして勝ったことが自信となり、反省点もできました。第4節ももちろん全勝で終え、10月の順位決定節で勝ちきれるように、これまでの経験を活かします。どの試合も『失点0』を目標にやってきたのですが、第3節ではペヤング戦で2失点しました。これも本来であれば0に抑えられたことなのですが、その反省点は選手たちもよく分かっています。無駄な失点がなければ、1点の得点でも勝てるので、この2失点は課題とします。第1節から第3節まで、自分たちが一生懸命戦う姿をたくさんの方が見に来てくれました。本当に感謝しています。勝つこと、いい試合をみせることでその恩返しとしたいです。第4節、順位決定節にも、今日のようなはつらつとしたプレーをぜひ見に来てください」

先制タイムリーヒットを放った山本悠未選手

「満塁の場面では、力まないように、シンプルな気持ちで打席に入りました。満塁で最悪なのはダブルプレーになることなので、そうならないよう、外野に打球を飛ばそうと意識したらヒットになりました。5回までの攻撃では、得点を決めきれない部分がありました。6回の満塁が一番のチャンスだったので、打って得点を決めることができて良かったです。去年の順位決定節では悔しい思いをしましたが、あの悔しさを忘れずに、今年は2連勝して1部リーグに行きます」

被安打2、5回を三者凡退の無失点で抑えた藤嶋涼菜投手

「今日の午前の試合では、前のピッチャーが0点で抑えてくれていたのに2失点してしまいました。この悔しさから、午後の試合では絶対に0点に抑えようと思っていました。この試合に勝てばセクション1位通過が決まることはわかっていたので、バッターにいい流れを作れるよう、リズムを大事にして投げました。去年の順位決定節は悔しい思いで終わってしまいましたが、今年こそは絶対に圧倒的に勝ちます」