6月3日、岩手県の滝沢総合公園野球場で第5節・1試合目が行われました。対戦相手は、7勝2敗でこの日を迎え、2年連続の決勝トーナメント進出を狙う「太陽誘電 ソルフィーユ」です。
　時折小雨が降る肌寒いコンディションの中、13時にプレイボール。今シーズン2勝目を目指す選手たちは、「絶対勝つぞー！」と気合いを入れ、試合に臨みました。

相手ピッチャーの好投で先制点ならず。
連打を喫するも、3失点で切り抜ける。

　ソルフィーユの先発ピッチャーは、日本リーグ通算400奪三振記録まであと4つに迫っている女子ソフトボール界の「投打の二刀流」藤田倭投手。今日の試合も4番打者に入ります。1回表、ブレイブベアリーズ打線は藤田投手の好投を前に思うようなバッティングができず、三者凡退に抑えられてしまいます。
　1回裏、ブレイブベアリーズのマウンドには藤嶋涼菜が上がりました。藤嶋は1番バッターから三振を奪うと、2番バッターをファーストゴロに仕留め、テンポ良く2アウトを取ります。続く3番バッターは、あと5安打で日本リーグ通算300本安打と大記録を目前にしている、河野美里選手。河野選手にセンター前ヒットを喫した藤嶋は、続く4番の藤田選手にもセンター前に運ばれ、さらにタイムリーヒット、ワイルドピッチで3失点。
　しかし藤嶋は落ち着いて投球を続け、この回最後のバッターはぴしゃりと三振に抑え、3失点で切り抜けました。

尾西が懸命なヘッドスライディング。
ヒットを打たれるも連係プレーで無失点に！

　2回表、ブレイブベアリーズの攻撃。1アウトランナーなしの場面で、5番・副キャプテンの尾西未紗が打席に入りました。尾西は鋭いピッチャー返しを放ち、相手投手がはじくもののセカンドが捕球しファーストへ送球。尾西も負けじと1塁ベースへ懸命にヘッドスライディングしますが、惜しくもアウトに。2回表もランナーを出すことはできませんでした。
　2回裏の守りでは、藤嶋はヒット1本を喫し、2アウト1塁とされます。続くバッターにはライト前に運ばれますが、打ったランナーが2塁に向かうのを見極めた守備陣が、見事な連係プレーで１・２塁間に挟みタッチアウト。この回を無得点に抑えました。

新美、待望のヒットはツーベース！
しかし相手の守備に阻まれ、無得点。

　3回表、ブレイブベアリーズの攻撃。この回の先頭バッターは、これまで代打での出場はあったものの、今シーズン初めてスターティングメンバーに起用された7番・サードの新美です。新美は2ボール2ストライクからの5球目を、狙いすましたかのように振り抜くと、左中間を破るツーベースヒットに！この試合チーム初の、そして新美自身も今シーズン初のヒットとなりました。新美は、2塁ベース上で拳を上げ、スタンド、ベンチの大歓声に応えます。
　新美に代わり、2塁ランナーには代走・瀧中美緒が入ります。ノーアウト2塁のチャンスで続くバッターはキャプテンの馬場未波。馬場は送りバントを試みますが、ピッチャーフライとなり、アウト。そして飛び出していた2塁ランナーの瀧中もアウトとなり、得点に繋げることはできませんでした。

新美に続き、高岡もヒットを放つ！
5回裏途中で、白川にピッチャー交代。

　3回裏、藤嶋はソルフィーユ打線を三者凡退に抑えます。4回裏はヒットで繋がれ2アウト満塁のピンチを迎えますが、後続をセカンドゴロに仕留め、無失点に抑えました。
　5回表、ブレイブベアリーズの攻撃ではこの回2人目のバッター、高岡佑衣がセンター前にこの試合チーム2本目のヒットを放ちます。代走に江口裕里が入りますが、後続が打ち取られ得点には至りません。
　5回裏、藤嶋はこの回先頭バッターの河野選手、藤田選手に連続ヒットを打たれ、ノーアウト1、2塁とされます。ここでバッテリーが交代。ピッチャーに白川果歩が、キャッチャーに重石華子が入りました。白川は2本のタイムリーヒットで2失点を喫します。しかし後続にはヒットを許さず、この回を2失点で抑えました。

再び連携でのファインプレーに、スタンドから大歓声。
しかし打線が力を発揮できず、敗戦に。

　6回表も無得点となり、迎えた6回裏。白川はこの回の先頭バッターに、レフト前ヒットを打たれます。打ったランナーは2塁を狙いますが、レフト・高岡が捕球したボールはショート・松田愛実へ中継され、2塁ベースに入ったセカンド・穐山へ送球。ランナーは1塁へ戻ろうとするも、さらにファースト・安井聖梨奈へ送球し、タッチアウト！2回裏に続き、またも堅実な連係プレーでランナーをアウトに仕留め、スタンドを湧かせます。
　6回裏を無失点で抑え、迎えた7回表。5点差を追いかけるブレイブベアリーズですが、1部リーグトップクラスのソルフィーユ・藤田投手の好投に打線が繋がらず、無得点。5-0で敗れる結果となりました。

＜試合後インタビュー＞

遠藤麻美監督

「上位チームとの対戦でしたが、初回の入り方が思うように行かず、また送るべきところをきっちり送れなかった場面もあり、練習の成果を発揮できませんでした。いつも遠方までたくさんの方に応援に来ていただき、自分たちの力になっています。勝利で恩返しをしたいと思います」

野木あや選手兼コーチ

「明日はいよいよ前半戦ラストの試合です。試合が終わってぶっ倒れるくらい、やりきりたいです」

ツーベースで今季初ヒット・新美天理選手

「二塁打を打つことができ、素直に嬉しかったです。今までは代打が多かったのですが、今日は先発出場だったので、最初から振っていこうと思っていました。明日も初球のストライクから振っていきたいです」